心理テスト制作はAIに任せられるか? 専門家が示す答え

久しぶりのご報告と、言葉について考えた春
こんにちは。中嶋真澄です。
ずいぶんとご無沙汰してしまいましたが、久しぶりにこちらの公式サイトのブログを更新いたします。

しばらく書かない間に季節も巡り、すっかり春を越えて初夏の空気ですね。ここ最近、少し不思議なことが続いていたので、そのあたりも含めて、今日は少し長めに近況を綴ってみたいと思います。

心理テストのご依頼、なぜかこの春急増中?
今年に入ってから、なぜか心理テスト制作のご依頼が立て続けに届いています。テレビ、雑誌、会報誌、そして企業の紙媒体など……。1月から4月、5月にかけて、「なぜ今こんなに?」とちょっと不思議に思うほど、集中しています。

「ChatGPTなどで心理テストって簡単に作れるんじゃないの?」というお声も耳にしますし、実際にそう考える方も増えているように思います。確かに、GPTなどで“それらしい”体裁のテストは作ることができます。私自身もプロンプトを練って試すことがあります。

でも、やはりそのままでは使えないです。

「いかにもそれっぽい」感じにはなるのですが、人の心に届くものにはならない。なんでしょうね、こう…言葉がどこか表層をなぞっているだけで、心に沁みてこないというか。受け手の背景や気持ちに寄り添っていないというか。

たとえば、クライアント企業さんにとって、その心理テストを誰に届けたいのか、どう動いてほしいのか。ターゲットの心の中にそっと入っていけるような言葉や設問が必要なんです。

心理テストは、診断コンテンツの中でも比較的リーズナブルな価格でお受けしているのですが、それでも「人の心を動かすもの」であることは変わりません。一本一本、あるいは年間契約のような形でも制作していますので、ご相談がありましたら、いつでもどうぞ。

https://www.leben-style.jp/search/nbl-tsuruse/kojirase/
タカラレーベン

テレビでも心理テストが登場しました(『家政夫のミタゾノ』)
2月には、テレビ朝日系列のドラマ『家政夫のミタゾノ』(松岡昌宏さん主演)の第7話で、オリジナルの心理テストを使っていただきました。

番組のトーンに合わせて、ユーモラスかつ違和感なく馴染むように調整したテストです。制作スタッフの方々とのやりとりも楽しく、心理テストのエンタメ的な可能性をあらためて感じました。


文学フリマ東京へ。書くこと、読むことの熱量
5月には少し仕事を離れ、「文学フリマ東京(第40回)」に行ってきました。場所は東京ビッグサイト。今回は、クリエイター仲間たちと同人誌を制作し、私も詩を一編 題して『詩のない詩集ー意識の此岸(此岸)にて』

ふだんのお仕事とは直接関係のない「詩」ですが、実は昔から好きな表現形式なんです。しばらく遠ざかっていたのですが、また書きたくなってきていて…。この機会に、久しぶりに筆をとりました。

会場の熱気には本当に驚きました。出版文化が衰退している、書店の棚が減っている、売れる本しか出せない――そんな空気を感じることが多い中で、こんなにも「書きたい人」「読みたい人」が集まっている場所があるんだ、ということに感動しました。

書くこと、読むことは、ビジネスでもSNSでもない、もう少し深いレイヤーの営み。売れる・売れないにかかわらず、内にあるものを表現したい、書きたい、「誰かに届けたい」と願う気持ちが、そして「読みたい」が、こんなにも人を動かしている。そのことを感じられただけでも、大きな収穫でした。

出版業界の炎上騒動に感じた、言葉の責任
話しは変わりますが、5月初旬、ある出版物が発売直前に炎上し、出版中止となる出来事がありました。三笠書房さんから刊行予定だった、ある心理カウンセラーの方の著書です。

私も以前、三笠書房さんから心理テスト関連の書籍を5冊ほど出していただいていて、お世話になっている出版社でもあります。

問題となったのは、「発達障害や精神的困難を抱える人たちを“困った人”として職場で分類し、動物に例えて描いた」という点でした。

たとえば“ナマケモノ”“羊”“猿”など、イラストつきで紹介されていたようです。
この「動物に例える」という行為、それ自体がどういう意味を持ってしまうのか――その感覚に対する配慮が欠けていたことが、炎上の大きな要因だったと思います。

私も昔、自己探求系のセミナーで「自分を動物に例えると?」というワークを見たことがあります。でもあれは、あくまで“自分で例える”ものであって、他人にそれを当てはめるのとはまったく違います。

たぬき、狐、猿、豚、犬、馬、ネズミ、蛇…。
古今東西、動物はメタファーとして使われてきました。でもその多くが、侮蔑的、もしくは差別的な含意を含んでいることも多い。

もちろん、聖なる動物――たとえば鳳凰、ユニコーン、ライオン、白馬、龍のような象徴もあります。でもそれは、意図と敬意を持って使われるからこそ成立するもの。

それを、精神的な困難を抱えた方に対して、無意識のうちに使ってしまうことがどれだけ危ういか。心理の専門家や編集者が、それに気づかずに出版へ進んでしまったことは、とても残念でした。

心の繊細さと、ことばの重み
人のこころというのは、本当に繊細です。ある言葉が、その人にとってどう響くか、どこを刺激するかは、簡単には予測できません。

だからこそ、心理テストや診断コンテンツのような「軽く見える」ものこそ、ことばの選び方には注意が必要です。
編集者でもそこに気づかないことがある――だからこそ、私たち専門家の出番があるのだと思っています。

ちなみに、AIに聞けば「動物メタファーの歴史」や「例の表現がなぜ問題か」はある程度出てくるでしょう。でも、それを実際の場面で、正しく判断できるかどうかは別の話。問いの立て方が違えば、答えも変わってしまいます。

心理テストは“ツール”ではなく、“対話”の入り口
最後にもうひとつだけ、私自身が心理テストに込めている思いについて触れておきたいと思います。

心理テストというと、「あたる・あたらない」「面白い・面白くない」といった軽やかな反応で受け止められることも多いのですが、私が本当に大事にしているのは、**“対話の入口としての価値”**です。

診断結果が「当たっているかどうか」ではなく、
その結果を受けて、「私はこう感じた」「この部分は少し違うかも」「でも確かにこういうところ、あるかもしれない」――そんな内面とのやりとりが生まれること。また、ポジティブな結果をもたらす心理テストは、SNSでの集客や顧客=お客様との会話にもつながります。

AIとともに、でもAIに任せきらずに
これからの時代、AIがますます身近になり、創作や分析もAIと“共創”していくのが当たり前になるでしょう。実際、私もAIを使ったコンテンツ制作の可能性にはとても興味があります。

でも一方で、「人が感じること」「人が気づくこと」には、AIにはまだ手の届かないものがあるとも感じています。

たとえば、「ちょっとした違和感」や「言葉の余韻」、「相手の反応の微妙なズレ」などは、数字や情報では割り切れない、人間の世界の感覚です。

心理テストや自己診断の分野では、こうした“感じる力”がとても大切です。だから私は、AIを使いながらも、最後の仕上げには“人の手”を入れたいと思っています。

表現者としての「もうひとつの顔」
少し話が戻りますが、文学フリマで詩を発表したことは、私にとって「表現する」という行為の根っこを思い出させてくれる出来事でした。

心理テストも、実は“問い”という形式をとった詩のようなものだと感じることがあります。そこにあるのは、ただのYes/Noではなく、「あなたはどう感じる?」という静かな呼びかけです。

たまに、「心理テストを作っている人が、詩なんて書くんですか?」と驚かれることもありますが、私にとってはどちらも“言葉で心にふれる表現”という意味で、地続きなのです。

制作依頼やお仕事のご相談なども、引き続きお気軽にどうぞ。お問い合わせフォームやSNSのDMなどからご連絡いただければ幸いです。

長いブログになってしまいましたが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。

言葉があふれている時代だからこそ、ひとつひとつの言葉を丁寧に扱っていきたい。
AIが何でも作れるように見える時代だからこそ、**「あなたに伝えたい」**という気持ちを込めたコンテンツを、大切に作っていきたいと思っています。

中嶋真澄

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ABOUTこの記事をかいた人

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徳島県生まれ。関西学院大学大学院修士課程修了(哲学専攻)。フリーライター、PR会社勤務を経て、単行本執筆を期に執筆活動に専念。1995年、本書のテーマであるエニアグラムと出会い、ライフワークとしての性格研究に取り組む。2000年より、毎月欠かさずエニアグラムのワークショップ、セミナー等を開催。参加者にとって信頼できる場を提供するため、スモールグループでの分かち合いを大切にし、今日まで継続している。2004年、永岡書店より出版の『ココロの本音がよくわかる魔法の心理テスト』がベストセラーに。心理テストブームを巻き起こした。テレビ・ラジオ等への出演・心理テスト監修も多数。『ドキッとするほどホンネがわかる心理テスト』(池田書店)『面白過ぎて時間を忘れる心理テスト』『楽しすぎて止まらない心理テスト』(三笠書房)など、心理テストに関する著書は累計120万部を突破。また、エニアグラムをベースにした性格診断・自己分析ツールは、商品キャンペーン、イベント、人材マッチングその他、Web集客等にも有効なツールとして、一般企業、放送局、イベント会社等幅広いジャンルに応用できるため、大手企業等からのコンテンツ制作の依頼も多い。 20代後半からジム通いを続け、40代で易占を学び、占いスクールで周易入門の講座を持つ。50代からヨーガを始め、全米ヨガアライアンス200を取得。コロナ後は渋谷から出身地の徳島県阿南市に居を移し、リモートワークとオンライン講座を中心に活動している。現在は、地元のフィットネスクラブで、趣味の有酸素運動と筋力トレーニングを行いながら、マインドフルネス・コンパッション・ヨガを実践。ロードバイクが趣味。