久しぶりのブログ更新になります。
このたび、新刊『キャラ転がし――エニアグラムでキャラクターが動き出す』の出版が決まりました。8月初旬の刊行を予定しています。
『キャラ転がし』は、キャラクターを描きたい人に向けた本です。作家、漫画家、脚本家、ゲーム制作者に限らず、「書きたい人」に読んでいただきたい本です。
けれども、この本は、単なる「キャラクターの作り方」の本ではありません。
人はなぜ動くのか。
何を求め、何を恐れ、どこでつまずき、どのように変化していくのか。
私が長年取り組んできたエニアグラムというパーソナリティ・システムをもとに、キャラクターの内側にある動機、葛藤、成長、そして闇落ちルート、聖者ルートまでを見ていく本です。
わたしはそれを『人格物語論』と名付けました。
AIで「それらしいもの」が大量に作られる時代に
いま、AIはものすごい勢いで発展しています。
文章を作ること、企画のたたき台を出すこと、営業メールを量産することは、以前よりはるかに簡単になりました。
実際、私のところにも、AIで作られたと思われる営業メールが毎日のように届きます。会社名や活動内容だけを差し替えたような文章。どこかで見たことのある言い回し。きれいにまとまってはいるけれど、そこに「本当にこちらを見て書いた」という気配がないもの。
AIによって生成物のクオリティは上がりました。
けれども、その一方で、同じような文章、同じような画像、同じような提案、同じような言葉も増えています。
いわば、AIによる“情報のゴミ”も増えているのだと思います。
だからこそ、これからますます大事になるのは、たとえば、文章なら「何を書くか」以前に、「どこから書くか」ではないでしょうか。画像なら、人の心に触れるようなオリジナリティを感じさせるものなど。
内側から立ち上がってくるもの。
その人にしか見えないもの。
一つひとつの表現に丁寧に向き合うこと。
人間の欲望や恐れ、葛藤や希望を、ありきたりな言葉で片づけないこと。
『キャラ転がし』は、そうした問いに向き合うための本でもあります。
キャラクターは、設定だけでは動かない
本書では、エニアグラムの9つのタイプを、単なる性格診断としてではなく、物語の中で人物を動かすための視点として扱っています。
キャラクターは、設定を並べただけでは動きません。
年齢、職業、趣味、口ぐせ、見た目。
そうした外側の情報だけでは、物語の中でその人が何を選び、何を失い、何に傷つき、どこへ向かうのかは見えてきません。
大切なのは、その人物の内側にある動機です。
何を欲しているのか。
何を恐れているのか。
何を守ろうとしているのか。
何を見ないようにしているのか。
ここが見えてくると、キャラクターは自然に動き始めます。
創作だけでなく、企業のコンテンツ制作にも通じること
そしてこれは、創作の世界だけの話ではありません。
企業のコンテンツ制作、診断コンテンツ、商品相性診断、ブランド設計、顧客理解においても、同じことが言えると思います。
AIを使えば、言葉を整えることはできます。
しかし、その人らしさ、その会社らしさ、そのサービスが本当に届けたい価値までは、テンプレートだけでは生まれません。
(プロンプト仕様の営業広告はスパム認定なので、これはやめた方がいいでしょう)
読み手や顧客が、なぜその商品に惹かれるのか。
なぜその言葉に反応するのか。
何に不安を感じ、何を信頼の手がかりにするのか。
なぜ、「御社にお願いしたい」という信頼が生まれるのか。
そうした人間理解があって初めて、行動につながるものを提案、提供できるのではないでしょうか。
『キャラ転がし』は、「書きたい人」に向けた本です
話がそれました。
『キャラ転がし』は、基本的には「書きたい人」に向けた本です。
書きたいのに、なかなか手が動かない。
人物が描けなくて途中で手が止まってしまう。
自分らしい表現がなかなか見つからない。
キャラクターを作っても、物語の中でうまく動いてくれない。
そんな方に向けて、エニアグラムを使いながら、人物の内側から物語を動かしていく方法をまとめました。
同時に、この本は、AI時代における「人間を見る力」「個性を読み解く力」「表現を内側から立ち上げる力」について考える本でもあります。
出版記念イベントと文学フリマ出展について
4月26日には、刊行前の実践ワークを行いました。ありがたいことに盛況で、参加された方々と実際にキャラクターを動かしていく時間を持つことができました。
出版記念として、11月1日(日)14時から16時にもイベント(渋谷)を予定しています。

また、11月8日(日)には文学フリマ東京(ビッグサイト)にも出展します。
文学フリマは、書きたい人、作りたい人、自分の言葉で届けたい人たちが集まる場所です。AIによって文章が大量に作られる時代だからこそ、こうした場に集まる一人ひとりの表現には、大きな意味があると感じています。
表には見えにくいけれど、水面下では、オリジナリティや誠実な表現への関心が確かに高まっています。
私はそう感じています。
AIを使うほど、人間の側に問われるもの
AIを否定する必要はありません。
むしろ、AIは大きな助けになります。
けれども、AIを使うほど、人間の側に問われるものもはっきりしてきます。
自分は何を見ているのか。
どんな人間理解を持っているのか。
どんな言葉なら、自分の内側から出てきたと言えるのか。
『キャラ転がし』が、創作に向かう方にとっても、コンテンツ制作に関わる方にとっても、人間をもう一度深く見るための一冊になればうれしく思います。
刊行が近づきましたら、また詳しくお知らせいたします。
心理テスト、診断チャート、商品相性診断、タイプ別コンテンツ制作など、人間理解をベースにしたコンテンツ制作のご相談も承っています。






