Withコロナ時代、読書で思考力を鍛えたい。
秋らしくなってきましたね。
GoToトラベルでどこかに出かけたい気分ですが、
秋の夜長に読書はいかがでしょう?
コロナ自粛が始まってからここ半年、
日々UPされるネットの情報にYoutubeの動画など、
コロナに関する様々な情報が飛び交っていました。
そのなかからどのような情報を信頼すればいいのか、
情報の選択がむずかしいところでした。
半年たって「アフターコロナ」よりも
「withコロナ」という表現がふさわしくなり、
一般にも浸透してきています。
さて、これからどういう生き方をするべきなのか、
働き方や住むところ、ライフスタイルなど含めて
少し落ち着いて考えるべきときにきているのかも
しれません。
ネットから得られる情報が多い中、
煽情的な内容に不安をあおられたり、
非現実的な論説を本気にするような人もいたり、
ただただアクセスした情報が右から左へと
流れて行ったり、
後から思えば、その時間が無駄だったということも
なかったでしょうか?
そこで、はやり本を読むというのは
自らの思考を鍛え、自分で考えるために、
また、自分自身で物事を選択していくために
とても有用だと改めて思いました。
個人がこれからの生き方の方向を定めていくためにも
専門分野で真摯な取り組みをしている人々の
意見や考え、研究成果について知ることが
大いに役立つと思います。
そんなわけで、このところ
読んでみたコロナ関連の本をピックアップしました。
私たちがコロナ時代の今置かれている状況を
読み解くために参考になる本
『コロナ後の世界ーいま、この地点から考える』
(筑摩書房)
免疫学、社会学、経済学、政治学、科学史、その他、
様々な分野の専門家がまさに「いま、この地点から」
コロナを論じています。
筆者は中でもとくに中島岳志氏(南アジア地域研究・
近代日本政治思想)の「一汁一菜のコスモロジー
土井善晴論」が、
「重要なのは…まずは私たちの日常を整えなおすこと
なのではないだろうか」という提案が、
身の丈に合った取り組みが
できそうという点で共感できました。
2冊目は『コロナと生きる』(内田樹・岩田健太郎/
毎日新聞社)
本の内容からは離れますが、
筆者が実感として感じてきたことは、
「人と同じことをするのが嫌いな人」とか、
もともと「人から離れている方が快適な人」など、
コロナ自粛をそれほどストレスに感じない、
むしろ、そのほうがラクといったタイプの人たちが
数多くいるということです。
いわゆる「引きこもり」系の人たちにとって
コロナ自粛は、他の家族や同居人に煩わされなければ
とくに問題はないと言えるでしょう。
(病的なひきこもりの話ではありません。
孤独の中に退却するというのは
クリエイティブな着想や表現行為につながって
いくこともあります。)
IT系の仕事などに携わっている場合には、
仕事や経済的なこともそれほど影響を受けていない
という場合も多いのではないかと思います。
逆に人と会うのが好きで、
密な関係を楽しんできた人たちにとっては
自粛は大きなストレスとなったことでしょう。
SNSで輝いている自分アッピールする”リア充”や
”自分盛り”など、遠い昔の話になってしまいました。
これは一例ですが、人々のメンタリティの変化や
今の時代に適応しやすいタイプ・そうでないタイプ、
コロナ時代の自分探しの方向など、
筆者がライフワークとしているパーソナリティ研究にも
新しい見方やが必要になってきています。
次にご紹介するのは、
『コロナの時代の哲学ーポストコロナの
ディストピアを生き抜く』(國分功一郎×大澤真幸)
3分の2が対談になっています。
コロナ禍は
「世界共和国への最初の一歩になりうる」
と哲学的な視点で語られています。
『新型知見で新型コロナとたたかう』
(岩波ブックレット)
著者の先生はテレビでよくコメントされていたので
有名になりましたね。
専門家の立場から書かれた内容です。
感染症としてのコロナとはについて
理解しておくためには読んでおきたい本でした。
あとがきの日付は2020年9月4日となっています。
秋の夜長におちついて読書しながら、
自分のなかのコロナの時代への向き合い方を
考えてみるのもいいのではないでしょうか。